福井県での食器買取における口コミ・評判をご紹介

福井県の焼き物「越前焼」について

福井県の焼き物「越前焼」は、平安時代末期に焼き締め陶を作ったのが始まりとされています。主に水瓶やすり鉢、壺などを中心とした日用雑器が作られていました。越前海岸に近いことから、船で北海道から島根県まで越前焼は広まり重宝され、北陸最大の窯業産地へと発展していきます。室町時代には全長２５メートル以上の巨大な窯が築かれ、越前焼は全盛期を迎えました。しかしその後瀬戸焼などに押されて、次第に越前焼の需要が落ち込み衰退していきます。江戸時代後期には食器類などが焼かれるようになりましたが、明治末から大正時代にかけて、越前焼の窯元は次々と廃業してしまいました。

しかし第二次大戦後ようやく、陶磁器研究者である小山富士夫や、地元の研究者である水野久右衛門らによって研究が進められ復活し、日本六古窯（備前焼、信楽焼、常滑焼、瀬戸焼、丹波焼、越前焼）の一つに数えられ、全国的に知名度が上がります。その後昭和四十六年（１９７１）に越前陶芸村ができ観光客が多く訪れるようになり、昭和六十一年（１９８６）には伝統工芸品の指定を受けました。

越前焼の特徴について

粘りが強く鉄分が多い陶土が地元で採れたことにより、越前焼は長きにわたり焼き続けられてきました。今も窯の跡が陶芸村の周辺に２００基以上発見されています。 約１３００度の高温で一週間かけて焼き上げ、薪の灰が器に流れ出して溶け込む、自然釉による素朴な風合いが特徴的です。

また表面が赤黒や赤褐色の焼き上がりで、土は焼き締められとても頑丈です。それにより水漏れなどがしにくいため、水やお酒、染色液などの保管や、穀物の貯蔵などに使われてきました。

越前焼の”平盃”について

厚みがわずか１ｍｍにも満たない飲み口を実現したのが、この盃ひらら、雪という作品です。陶器でこの極限の薄づくりに挑戦した陶工の心意気に驚かされます。表面に雪がひらひらと降り注いだような圧巻の仕上がりとなっています。更にその飲み口はお酒の口当たりを優しく香りたたせます。陶器の鋭さと柔らかさをあわせ持つ上質な盃で、極上のひとときを味わえる一品と言えるでしょう。